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「カヤネズミとカヤ原にちなんだ川柳」作品選評

【最優秀賞】
「茅の巣は 月の色なり 十六夜」
ああ、赴き深き日本の秋…!という感じで、一番カッコイイ!と思いました。
カヤという植物の季節による移ろいも優雅に表現されてて綺麗だなぁと思います。
「茅の巣」という言葉で、カヤネズミというキーワードをいれなくても、
的確に今回のテーマを表しているのがすごいなぁと思いました。(い)

表現力が素晴らしい。
十六夜の月に煌々と照らされるカヤ原。
夜露を含んだカヤネズミの球巣が月光を浴びてきらきらと輝いている。
まるで、球巣自体が月の似姿のよう。
そんな情景を想像しました。(は)

【優秀賞】
「カヤ原を 残しておくから 住みに恋」
たくさんの生き物の大事なすみかであるカヤ原が失われていくなかで、
「残しておくから住みに恋(来い)」と呼びかける、作者の生き物に対する温かい思いが伝わってきます。(は)

「田圃うに 子らの嬌声 かや球巣」
子どもたちがイネ刈りに参加して、カヤネズミの巣を見つけたんでしょうか。
金色の稲穂が実る、秋の田んぼのワンシーン、鮮やかな情景が浮かびます。(は)

「絵日記に カヤの絵描いた 夏休み」
カヤネズミに出会ったのがとても嬉しくて、うきうきしながら、色鉛筆を走らせる姿が目に浮かぶよう。
夏休みの素敵な思い出になったことでしょう。(は)

「カヤ原に シャイな妖精 カヤネズミ」
カヤネズミが自然の指標ともなる存在ながら、中々見られないという特性と、
なかなか見られないからこその神秘性を「妖精」という言葉で可愛らしく表現している所が素敵です。(い)

「ススキ原 お月見してる? カヤネズミ」
ちょうどシーズンが秋なので、お月見・ススキ・カヤネズミ!というキーワードのつながりが情緒があっていいなぁと思います。
カヤネズミ、は一般的には馴染みがなくても、お月見の文化やススキは知らない人はいないと思うので
より身近な存在に感じてもらえるのではないかな、と思います。
彼らが日本の自然や文化に寄り添って生きてきた事がそっと表現されていて趣のある句だなぁ、と感じています。(い)

「冬支度 蒲の綿毛を 敷きつめて」
フカフカの綿毛のおうちの中で眠る愛らしい姿がうかびます。
どんな巣材、どんな環境で暮らす生き物なのかも分かって、
なおかつ絵的にフワフワ可愛らしく仕上がりそうだなぁと思います。(い)

「同じ夢 見てる親子の カヤネズミ」
一番情景があたたかくてほんわかしました。
親子、子育てというキーワードは、この存在を守りたい、大切にしたいという気持ちと繋がるところがあると思います。
草原の中でも、なかなか直接こういうシーンを見ることができず、一般の方も知る機会はありませんが
消えていくカヤ原の中にも、こんなワンシーンがあるよということを、そっと伝えることのできる素敵な句と思います。(い)

【特別賞】
「カヤネズミ より君好きと 嘘をつく」
個人的になんだかグッときた句です。笑
リズムも言い回しもなんだかすきです。(い)

「踏み込むと 探検気分 萱の森」
カヤ原は「森」ではありませんが、そう表現したくなる気持ちはわかります。
人の背丈の倍近いカヤ原に分け入った時の、率直な気持ちが伝わってきました。(は)

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最終更新日:: 2011年9月20日(火) 13:31 JST|閲覧数: 11,819

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