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第34弾「カヤネズミのための草の道と橋」

  • 2013年6月30日(日) 07:56 JST
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リレーエッセイ

 今年も江掘り(水路掃除)のための草刈りの時期がきました。
 中池見の草刈りは、昔、ここで田んぼをしていたおじちゃんたち(今は、中池見ねっとのスタッフです)がしてくれるようになり、散策しやすくなったととても喜ばれています。

 ただ、カヤネズミが大好きな私としては、水路周辺の草刈りと聞くと、ちょっと憂鬱。なぜなら、中池見のカヤネズミたちは、広い湿地の中で、時にこの水路を渡りながら移動する必要があり、きれいに草刈りされてしまうと水路を渡ることはできません。でも、散策路でもある水路沿いの道や、江掘りのためには水路脇も草刈りしないわけにはいきません。そこで、カヤネットのMLで相談すると、ところどころ刈り残してみたら?とのアドバイスをいただきました。

 

 さっそく、おじちゃんたちにカヤネズミの生活や行動などと合わせて、そのアドバイスを伝えてみました。「わかったで~、ええもんにしとくわ~」と二つ返事。てっきり、ややこしい、とか、残すとこマーキングしとけよ~とか、言われるかと思っていたので、ちょっとびっくり(笑)そして、草刈り後に見に行って二度びっくり。水路沿いの数か所で、ヨシ原から、幅数十センチのスゲなどの低い草の道が、散策路を横切り水路脇のヨシやマコモまでつながり、そしてそれらの高い草が水路の向こう岸の高い草へと渡る天然の草の橋となっていたのです。

 ちっちゃなカヤネズミの動きをイメージしながら、もしかしたら結構面白がって(笑)、この草の道を残してくれたんじゃないかなぁ、なんて、おじちゃんたちのその様子や心持ちを想像すると、なんとも優しくほのぼの~としました。
 さぁ、果たしてこの草の道と橋を、カヤたちは使ってくれるかな?そろそろ調査の季節です。

上野山 雅子(うえのやま のりこ、NPO法人中池見ねっと)

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