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第38弾「カヤニストになりたい!」

  • 2013年12月26日(木) 21:20 JST
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リレーエッセイ

みなさま、こんにちは。動物の「かわいさ」と「おもしろさ」をテーマに仕事をしている写真家の松原です。カヤネットに参加したのは二年半ほど前のことになるでしょうか。

入会のきっかけは、カヤネットの皆様ならご存知かと思いますが、カヤネズミの飼育個体を「野生風」に撮影した一連の写真です。私はこの記事を見た時に、特に何の疑問も持たず単に「こりゃーかわいいなあ」とtwtterでつぶやいたわけです。

すると、本会代表の畠さんから「これは演出写真で、自然な状態のカヤネズミではないと思います」とのご指摘をいただきました。え?と思って英語で書かれた元記事を読むと、確かに「人慣れさせた飼育個体を野に放ち……云々」みたいな事が書いてありました。いや、まったく、お恥ずかしい限りです。これを機に、カヤネットのホームページ(ココですね)でその生態や生息環境など勉強させていただいているうちに、カヤネットに入会して、もっといろいろ勉強しよう、と思った次第です。

以来二年、いつかは可愛いカヤネズミの生態写真を撮りたいと思い、近場のススキ野原で球巣を探してみましたが、当てずっぽうで探しても、なかなか見つかるものではありませんね。ふーむ。

そして今年の秋、2013年10月27日に、静岡の麻機遊水地で、カヤネットの研修会が開かれました。地元の麻機遊水地自然再生協議会と共同……とは名ばかりで、会場の選定・確保・セッティング・撤収まですべて再生協議会の方々がやってくださいました。誠に誠にありがたく、この場を借りて御礼申し上げます。

研修はまず室内講義。パワーポイントのスライドでテンポよく講義を進める講師の畠さん。とても面白く、カヤネズミの生態とフィールドワークに興味がある私にとって、とても貴重な、お話がたくさん聞けました(iPadでメモを取ったら5画面分も)。

その後、皆で遊水池を歩き、カヤネズミの巣を探しました。とてもたくさん見つかりました。最初は「あったあった」とただただ鼻息を荒らげていた私も、最後のほうは「ふむ、これはヤケに高いところに有りますな。このダラリと垂れた様子は、もう使われていない巣ですかな?」などとイッパシの感想を言うようになりました。ニワカカヤニストの誕生です。来シーズンには、この麻機遊水地で観察を試みるつもりです。また、自宅近くの野原にカヤネズミはいないか、引き続き探して行こうと思います。そしていつかは、本物のカヤニストになりたいものであります。





さて、手前事になりますが、この2013年12月16日、私の新刊『エナガのねぐら』が発売となりました。自宅周辺に生息するエナガ群を二年余りに渡り毎日のように追跡・観察・撮影した結果を、一冊の写真集としてまとめたものです。一見して「かわいい」を前面に押し出した体裁ですが、生態の観察や記録の手法についてはできるだけ科学的な態度で臨むように心がけました。といいますのも私は、エナガの生態についての基礎知識を、中村登流先生のご著書「エナガの群れ社会」から得ているため、綿密なフィールドワークに基づく分析や思考の大切さ、論文としてまとめられた知見のありがたさを、身に沁みて感じる者であるからです。

そういったわけもあって私は、来年2014年1月14日に発売される畠さんのご著書『カヤネズミの本―カヤネズミ博士のフィールドワーク報告』を、心から楽しみにしています。畠さんの積み重ねられたフィールドワークで得られた貴重な知見を我がものと出来る絶好の機会。これを逃す手はありません。さっそくポチッと予約いたしまして、今か今かと、その到着を待ちかねております。

松原 卓二(まつばら たくじ、動物写真家)

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