・イノシシ 夜の森に入っていると「ガサッ、ガサッ」と笹薮から何かが近づいてくることがあります。忙しいときはかまっていられませんがそうでないときはカメラを手に待っています。 何が来るのかわからないので少し緊張しますがたいていは向こうが途中でこちらの存在に気付き、戸惑い、去ってゆくようです。 一度だけ、背後から「ガサッ、ガサッ、ぴたっ、ガサッ、ガサッ、ぴたっ」と、こちらの存在をわかったうえで距離を詰めてくる者がいました。 |
カメラを弄っていて手がふさがっていたのですがその時はさすがに「これはまずい」と思い、警告を発しました。するとそれ以上は近づいてきませんでした。用事を済ませ笹薮から境内の開けた所に出ると10mほど離れたところにイノシシが居ました。 「あっ、イノシシ!」と近づいていくと、いそいそとした様子でこちらを見つめていました。 そんなこちらは何とか写真に収めようと一生懸命にシャッターを切りますが・・・新調したフラッシュがうまく動作せず・・・そんなカメラに四苦八苦している自分の姿を見上げるように見ていたイノシシは「なんだ違うのか・・・」といったようにうつむき、背中に哀愁を漂わせながらとぼとぼと去ってゆきました。 あっ、まだ撮っていないのに!と後を追いかけて何とか撮らせてもらいました。まだ親離れしたばかりくらいの若いイノシシのようでした。おそらく笹薮で近づいてきたのはこのイノシシだったのだろうと思っています。 きっと藪の中でガサガサと動く自分のことを同類か同志か・・何かそんなもののように思い近寄ってきたのではないかなと思いました。もしくはまだ警戒心が薄かったせいかもしれません。 |
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・セミの幼虫 7月下旬の夜、神社の本殿の基礎のコンクリート部分の高さ数十センチの所にセミの抜け殻があったので「このセミの抜け殻の主はどこからやってきて・・」などと思いながら眺めていたところ、ふと横を見るとセミの幼虫がその抜け殻のほうへてくてく歩いてきました。 |
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おぉっ、生きているセミの幼虫がっっ!(初めて見たので興奮) その様子を眺めて間もなくセミの幼虫は足を踏み外して転げ落ちました。。 |
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セミの幼虫は地面に転げ落ち、まるでカメがひっくり返ったように仰向けになりもがいていました。 哀れに思ったので掴まれるようにボールペン(金属製)を差し出すと、まるで「金属はいやだ」といった感じで嫌がりました。 そこで近くに落ちていた枝を差し出すとしっかりと枝を掴みました。 |
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その後、本殿を登っていき羽化をするまで・・・見ているほど気は長くないのでその場を離れます。 すると振り返ってすぐの樹の枝に羽化直後?のセミがとまっていました。 |
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これは・・・あちこちで羽化をしているのでは・・・と、慌てて探してみたものの他には見つかりませんでした。。 ここも最後まで見ているほど・・・なのでその場を後にします。 2時間ほどして再び見てみるとだいぶ羽が乾いたようです。 アブラゼミでしょうか。 (抜け殻は枝に登る過程で下に落ちたようです) |
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・ムササビ 10月下旬、夜の森の中を歩いていてムササビを見つけました。 |
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少し遠かったのでもう少し近づこうとしたところ藪で足を踏み外して思いきりずっこけ、バキッバキッバキッという大きな音がしてしまい、ムササビは驚いて近くの樹洞に逃げ込んでしまいました。 こちらは「あっあんなところに樹洞が!」と思った次第です。 ムササビは何度も樹洞から顔を出してこちらの様子を伺っていました。 その様子を横目に見つつ、樹洞に向かってどこにカメラをセットしようかと画策していました(実際はとても高く、距離があり、断念しました)。幾度かこちらを確認したのち、あるタイミングで「今だ」とばかりに樹洞から出て一気に駆け上がり奥のほうへ滑空していってしまいました。 自分にとってはあんな細い木のあんな小さな穴にムササビが入ったことがとても驚きでした。またそのポイントは一歩、位置を外れると樹洞が見えなくなる所でとても分かりにくかったので普段はあまりしないスケッチを行いました。 予想通り、次にやってきてスケッチを見ずに再び樹洞を見つけることは出来ませんでした。。また自分は今でもあの樹洞にムササビが入ったことが信じられません。。 |
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・タヌキ 何かに集中しているとき、ふと見ると近くでタヌキが凝視してこちらを見ていることがあります。 |
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そんなとき余裕があれば”何もしない”で様子をみるようにしています。 | |
タヌキのほうもこちらの様子を伺っているようです。 しばらくして大丈夫だとわかると普段通り?の採食をはじめました。 |
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タヌキはちょっと警戒心が薄いからかもしれませんが・・・ この後、笹薮などに入っていきましたがその音の大きさのイメージとしてはタヌキ以上の存在に感じました。。 ”何もしなければ”普段の姿を見られるのではないかと・・思っています。 |
場所:富山県西部 7月中旬撮影 |
・日常の出会い 森ではありませんが朝に通っていた会社のドアの前でスズメの幼鳥が体当たりして困っていることがありました。 (この後無事に脱出) |
場所:富山県西部 9月中旬撮影 |
ドア前には数メートルの風雪を避けるためのサッシがドーム状に設置されており、隙間はあるものの迷い込んだ小鳥がバニックになり体当たりしている様子をたびたび目にしていました。 ある出勤時の朝にもドア前の通路で小鳥と遭遇、小鳥は驚いてドアに向かって飛び立ち、勢いよくガラスのドアに衝突しました。 よくあることなのであまり気にしていなかったのですが・・ |
いつもと様子が違います。 |
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動かない様子を見て死んでしまったかと思いましたが拾い上げるとまだ生きているようでした。 | |
目はしっかり開いていておそらくは意識はあるものの体の自由が利かない脳震盪のような状態だったのではないかと思います。 片足は力が入らないようでもう一方の足でなんとか指を掴みました。 人間の手に捕えられ逃げ出したいものの体の自由は利かず緊張した結果・・・なのでしょうフンをしました。 |
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どうしたものか・・小鳥を手にしたものの少し悩みました。 とりあえず中に・・と、そのままロッカールームに入ろうとしましたが・・・屋内に持ち込んでから回復して室内を飛び回ったりすると大変です。 考えた末、近くの樹の枝にとまらせておくことにしました。 樹の枝にとまらせると両足でしっかりと枝をつかみ、安心したのでしょう目を閉じて休んでしまいました。 |
朝の出勤時でだいぶ時間が押してしまい、小鳥も落ち着いた様子だったので急いで仕事に向かいました。 30分ほどして様子を見に行ったところ、もう居なかったので無事に飛び立っていったのだろうと思います。 急なことで混乱してしまいましたが、やはり人の手より樹の枝のほうが落ち着くのだろうと思いました。 今度は森で会いたいものです。・・・と思っていましたがいつもの森のセンサーカメラに同じような小鳥が写っていました。 個体数が多いからなのでしょうが同じ個体だったら面白いなぁと思いつつ、渡り鳥のようなので翌年もまた姿を見せてもらいたいものです。※小鳥はヤブサメと思われます (岡本 毅(おかもと・つよし)、石川県在住) |