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第61弾「庄内川河川敷の動物について」

  • 2018年11月 2日(金) 11:24 JST
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リレーエッセイ

アカネズミ
名古屋市を流れる一級河川である庄内川は、上流部は自然環境が残されていますが、下流部はグラウンドやゴルフ場など人の利用が増えています。
さらに、東日本大震災の津波の件もあり、河口から護岸工事も進められています。

このような河川敷ですが、自然環境が残されている場所もあり、多くの野生動物が利用しています。
鳥類、哺乳類、昆虫類など様々な種がいますが、わたしはその中でも哺乳類に興味があるので、今回は哺乳類について紹介をしたいと思います。

大・中型哺乳類で確認されているのは、イノシシ、キツネ、アライグマ、タヌキ、ヌートリア、イタチなどです。この中でもキツネはコンクリートで舗装された道路を利用して移動していることがカメラトラップによって分かりました。さらに目撃情報のみとなりますが、親子で河川敷を利用している姿が確認されているので、子育ての場としても成り立っているといえます。

小型哺乳類はシャーマントラップを用いての捕獲調査を約2年間しています。調査当初はアカネズミ以外にもハツカネズミやジネズミなども捕獲できるのではないかと予想していました。しかし、実際に調査してみると、アカネズミ以外はほぼ捕獲できませんでした。多様性が少ないというよりは、アカネズミの個体数が多いため、このような結果になったのではないかと、確証はありませんが予想しています。野外調査の醍醐味の一つである、「予想通りにならない」という難しさや楽しさを改めて感じました。


カヤネズミの巣
庄内川の河川敷にもカヤネズミは生息しています。個体数は正確には分かりませんが、巣がほぼ全域にあるので、かなりの個体数いるのではないかと思っています。ただ、広い植物群落があっても、植生によっては全くいないので、そこも考慮しなければいけないと思いました。

クズが広がってきており、カヤネズミの巣が見つかっている群落にも侵入してきています。クズの広がりとイネ科草本群落とカヤネズミの巣でなにか分かれば面白いかもしれないです。

イネに作られたカヤネズミの巣
また、庄内川ではありませんが、大学の調査地のある豊田市の水田で、学生実験での稲刈りにTAで参加したときに、カヤネズミの巣を発見しました。まだ新しい巣で、季節的にも利用していそうな感じでした。こんなところにもいるのだなと思っていたら、学生がカヤネズミの入った巣を発見しました。

稲刈りはしなければいけなかったので、その巣と個体は耕作放棄地に放しました。
水田にネズミがいると知らない学生が多かったので、見てもらえて嬉しかったです。

南 彩夏(みなみ・あやか、名城大学大学院 環境動物学研究室)

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